心理的負担軽減も期待できる介護ロボットの活用
要介護者の中には、介護をしてもらうことに申し訳なさを感じる人もいます。年齢を重ねたり、病気になったりすることで、今までできていたことができなくなると、どうしても周りの人に頼らなければいけない場面が増えてきます。このような状況でも、常に誰かの助けを借りなければならないことに、負担や申し訳なさを感じてしまう要介護者も少なくありません。食事や入浴、着替えなど、日常生活における基本的な動作でさえも、介助が必要になってしまうとプライドが傷ついたり情けない気持ちになったりする方もいます。そのため、本当は困っていても、サポートをお願いすることをためらってしまい、我慢してしまうケースも少なくありません。
介護ロボットの活用は、このような要介護者の心理的負担を軽減する手段の一つとしても期待されています。介護ロボットは、人間の代わりに食事の介助や移動のサポート、排泄の補助など様々な介護業務をこなせます。介護ロボットを利用することで人による介助の必要性が減り、要介護者は心理的な負担を軽減できる可能性があるのです。介護ロボットは人に似た動きをしても感情を持たない機械のため、要介護者は気兼ねなくサポートを受けることが可能になります。人に対して申し訳ないと感じてしまうことでも、ロボット相手であれば、素直に頼ることができるというわけです。また、介護ロボットは24時間稼働させることも可能です。そのため、夜間など人の助けを得にくい時間帯でも、安心して生活を送ることができます。介護ロボットの導入は、要介護者だけでなく介護をする家族の負担軽減にも繋がると考えられています。