高まる介護ロボットのニーズ
我が国の少子高齢化が進む中、介護する側にとっては人手不足と負担の大きさが深刻な問題となっています。介護業界のスタッフの数が不足しているため、1人1人の業務量が大きくなり、精神的なストレスにもなっているのです。介護の仕事はただでさえ重労働です。例えば、大人1人を抱きかかえるだけでも体力を要する上、車いすに乗せたり入浴や排せつなどの介助を行うことは、更に身体的負荷のかかるものです。過酷な労働環境は介護の質の低下を招く可能性もあり、改善が望まれています。
そんな現状において、注目されているのが介護ロボットです。例えば、簡単な操作で要介護者が移動できるものや、ベッド脇に設置することで移動を楽にするトイレ、認知症の人が夜間に起きて動き回っても見守るロボットなどが既に実用化されています。いずれも介護者の身体的な負担軽減に役立つものであり、同時に精神的な負担軽減にも繋がると期待されています。ロボットの活用は、身体的な負担を減らすと同時に気持ちのゆとりを生み出し、仕事の効率や職場環境の向上、良好な人間関係の維持に貢献できる可能性があるのです。それは最終的に、要介護者にとっても居心地の良い環境をもたらします。このように介護ロボットは、介護者や要介護者の負担軽減と環境向上に繋がり得るものとして、大きな期待を受けています。コスト面など課題点はあるものの、政府も開発の支援に乗り出しており、今後更に介護ニーズに合ったロボットの開発・普及が待望されているのです。